解説   半蔀


 紫野に住む僧が、夏修行も終わりに近付いて、花の供養をしていますと、一人の女性が来て、夕顔の花を供えました。
 僧がその花を供えた理由と身の上を尋ねます。女性は、花の名は夕顔で、五条辺りに住む者と言って姿を消します。
 僧は女性が残した言葉に従い、源氏物語の夕顔の遺跡の五条辺りへ行きますと、小さな家の中から女性の詩を吟ずる声がします。僧が弔からと云って誘いますと、半蔀戸を押し開いて、夕顔の霊が現れます。
 夕顔の霊は、光源氏との出会いを語って聞かせ、思い出の舞を舞って見せますが、夜明けと共に、半蔀を下ろし、その中へ消え失せます。


解説目次へ    展示室TOPへ    平成13年1月1日更新